アートカンブリック art cambric
布クロス。細布の感触。ソフト感がある、マット調で渋みがある、裏面に極薄手の紙を裏打ちしバリッとした腰がある等の特徴がある。
アートカンバス art canvas
太目の糸で固く織って着色した布クロス。丈夫だが箔押しに多少の難点はある。箔押し金版(凸版)の字画を深めに彫ることによって、マージナルゾーンに余分な箔付きを避ける。
アートタイプ arttype
コロタイプの別名。
アートベラム art vellum
薄手の生地の布クロス。生地目を強調せず、平滑で艶がある。水分に微妙に反応するので、貼りあがった表紙も表側にカールする危険性がある。使用する膠は柔軟剤を加えた品質の物を選ぶ。表紙が乾燥したあと多少の柔軟性が残るほうが表紙の反りを自然に矯正する。
あい切り・あい断ち
和本の製本工程の一つ。紙を真半分に断ち分けること。
合い口 congenial
複写伝票で1セット数枚の印刷位置が正確に合っている状態。紙の伸縮・印刷の結果、各紙葉の印刷位置にずれが生じた事を合い口が悪いという。
間紙・合紙 interleaving paper/slip sheet/smut seet/set off sheet
印刷・製本の際、印刷紙や刷り本の間に入れる紙。この作業を間紙入れという。枚数の目安や、裏写り、汚れ除けなどに使用される。その他にも見返しに和紙を用いる場合の「あそび紙」も一種の間紙。
アイボリー装丁 ivory bookbinding
古写本。11~12世紀の宗教書などに多く用いられた装丁。子牛の胎児の皮をなめして作ったべラムに文字や絵が手書きされている。
アイレット eyelet/loop-stiching
小さい孔という意味。ループ・ループ綴じともいう。カレンダーやパンフレットを中とじ製本により作る際、中綴じの針金が本の背に露出する直線部分を凸字形(あるいは半円のループ状)にして壁掛け用のフックにする。フックになる部分も中綴じの針金により製本の際に一緒に形成でき、壁掛け用カレンダーが手離れ良く作れる。パンフレット等の小冊子はループ綴じすると、ファイルするさいパンチ穴をあけなくてすむ。
亜鉛凸版 zinc etching
亜鉛版を硝酸で腐食して版面を、形成した活版用の製版。版厚は通常1.0~1.3mmが印刷用。製本の箔押しに用いる凸版は1.5~3.0mmと深めに製版したものを用いる。
青のり bulu paste
接着部に着色して種類を判別できるように仕上げた伝票。色のり、色天、青天ともいう。
あかす
薄い和紙の上に金箔を付着させる事。竹の皮(バレン)を少量の油で湿した綿でよくこすったものを使い、油を薄い和紙に付着させておいて金箔を和紙の上にのせて、箔を飛散したりヒラヒラするのを落ち着かせる。
赤本
江戸時代に刊行された本で草双紙の一つ。形は半紙半裁、一冊五丁。赤色の表紙で「桃太郎」「さるかに合戦」等のおとぎ話を題材としたものや、少年向きの講談本、俗受けを狙った低級な安い本。
上がりWrong book
折丁を開いて鞍に乗せるとき、突き当てに正しく揃えないと綴じあがった折丁が不揃いになる状態をいう。印刷紙を断裁する前に付き揃えする時、針と咬えが揃っていない状態。化粧断ちの後、ケシタに残り断ちのある状態をいう「もぐり」ともいう。
空き inside margin/outside margin
書籍などの文字・絵等の印刷面(版面)ととじ目の間にあるノドの部分の余白、または刷り本の天地・左右の余白部分をいう。
開き(あき)
本を閉会する時の開き具合。
上げ貼り
無線とじに使う見返しを本文に貼りこむ際、あらかじめ本の背をカットする部分を3mm程度逃がして貼る事同様に見返し図面を一枚貼りにする場合、ノド際2.5mmくらいずらして貼る事をいいます。
アコ-ディオン・フィールド accordion fold
経本折、ジグザグ折りの事。
 hemp
大麻、苧麻(からむし)、黄麻(おおま)、亜麻(あま)マニラ麻などの総称。平織りし高級布地として表紙材料に用いられる。
麻の葉綴じ
和装本の一種。基本の四つ目綴じに麻の葉模様をあしらったもの。
足(足継ぎ、足貼り) guard
とじしろとするために図版・別丁などに継足した部分。南京表紙や切り付け表紙(背クロス製本)など、針金とじしろに継ぎ足した部分は足継ぎ、足貼りと呼ばれる。別丁足継ぎ、見返し足継ぎ、表紙足継ぎなどがある。
アジロ製本 notch binding/burst binding
無線綴じが中身の背を削ぎ落とし糊を塗布するのに対し、アジロ綴じの場合、折り工程で折り丁の背の部分にスラッターで切れ目を入れておき、中身の背を切り落とさずに糊を塗布する。糊ローラーで接着剤を塗布し、背の部分のアジロ穴に接着剤を浸透させ、折り本の中身を一枚ずつ接着される事により、綴じた物と同等の効果が出るようにする。アジロ綴じの本は、無線綴じの本に比較して、開きが柔軟性に富み、ノドいっぱいまで見開きができ糸かがりと同様の効果がある。
遊び紙 flyeaf/fly paper
印刷されていない白紙ページが、本の中身の前後に入ってるとき、これを指して遊び紙という。本文と同質の紙(本文共紙)がほとんど。見返しの遊びとは異なる。
頭 head
本や印刷物の上部「天」の部分。本文が右開きの場合は折りの切り口の方を天、折りの袋の部分を「地」または罫下(けした)という。左開きの場合は反対になる。
頭合わせ head pasting
文庫本の天アンカット本のように、天の部分を化粧断ちしないものは、頭合わせ折りをする。
頭貼り head pasting
左開きの本の折丁の天の部分を目安にして揃えて貼る事をいう。
厚紙 card board
厚さ0.15mm~0.23mmで腰が強い紙。筆記・印刷の出来る(比較的上質の)紙をいい、粗質で紙箱などを作るのに用いるものは板紙という。
厚さ(紙の厚さ) thickness/caliper
紙を直径14.5cmの円盤の間にはさみ、0.55±0.05kgf/cm²の圧力下に置いたときの厚さ。50mm×50mm以上の試験片を10枚以上用意し、それぞれ二個所の厚さを紙用マイクロメーターを用いて1/1000mm単位で測定する。
厚さ・厚み(本の厚さ)
マイクロメーターで前小口を挟んで計測した本の厚さ。束(つか)は中身だけの厚さ。
厚表紙 stiff cover
上製本の表紙は、芯ボールの厚さより厚表紙と薄表紙に区別される。芯に板紙などの厚紙を用い、その上に革やクロス・布地・印刷紙等の表装材料を貼ったものをいう。
厚物 thick book
束(つか)の厚さが3cm以上の本をいう。
当て板 pressing board/end boards
締板のこと。
当て紙 protect paper
折本や輪転折りなどの結束時に、汚れを防ぐため上下に当てる損紙。
後付け posterrior matter/back matter
社席、雑誌などの本文の後に続ける印刷物。図表、奥付、広告ともいう。
穴明け drill/punch
製本加工における穴明けは、穴の利用のしかたにより大きさ・形状が各種多様にある。穴の明け方は様様でドンコ穴、ドリル穿孔黄等がある。なお切り取りミシンは穴の目的・形状・あけかたが異なっていて「穴あけ」とは区別されている。
余り丁 overruns
刷り本、折り丁が注文または納入数量より多いもの。全ての製造過程が終了しても余った部数以上のもの。
雨 nicks
仕上げ断ちしたとき、包丁の研ぎ不足や刃こぼれがあると、切り口にできる筋状の刃跡。
アルミ箔(アルミニュウム箔) aluminum foil
厚み0.2mm以下の薄膜。純度99.3%以上、厚さ7~50µm以下(JISH4160)。製本用の箔は、アルミニウムを延ばして箔に仕上げた。
合わせ丁合 marry
一回の丁合いでは1冊にまとめきれない台数の多い本の場合、2~3回に分けて丁合いする。分けて丁合いしたものを、1冊にまとめる丁合いを「合わせ丁合い」という。
アンカット uncut edge
ほんの中身ないし三方を化粧断ちしないで仕上げる製本の一様式。
アンコ入り padded case
「綿入れ表紙」と同意。
アンチック装丁 antique binding
表紙の表面部分に空押しだけで、金箔等を使わない装丁本の事。